キャリア心理学が示す「中年の危機」とは?
キャリア心理学では、40〜60代は「中年の危機(Midlife Crisis)」と呼ばれる時期に該当するとされています。これは、ユングやレビンソンといった心理学者が提唱した概念で、人生の総括期にあたり、過去の選択を再評価したり、役割の変化に直面したりと、自己概念が揺らぎやすい時期を指します。
特に、就職氷河期を経験し、昭和的な価値観の中で育ち、「相談しない」文化の中で生きてきた団塊ジュニア世代の男性は、この中年期の揺らぎが強く出やすいと考えられています。

なぜ中高年男性の心の揺らぎが企業にとってのリスクなのか?
企業において、中高年男性は若手のロールモデルとなったり、経営層と現場の橋渡し役を担ったり、組織文化を体現したりと、非常に重要な役割を果たしています。彼らの心理状態が不安定になると、以下のような問題が起こる可能性があります。
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若手が将来のキャリアを描きにくくなる
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組織全体の心理的安全性が低下する
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コミュニケーションが減少し、組織文化が重くなる
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生産性が低下し、離職リスクが増加する
つまり、中高年男性のエンゲージメント(仕事への意欲や会社への愛着)が低下することは、企業の「人的資本価値」(従業員の能力や意欲を最大限に引き出すことで企業価値向上を目指す考え方)を損なうことにつながるのです。

2026年3月期以降、有価証券報告書における人的資本情報の開示が拡充され、企業は従業員のキャリアの充実やウェルビーイング(心身ともに満たされた状態)の確保が求められるようになりました。まさに「人を中心に据えた経営」が必須の時代なのです。
内閣府採択「中高年男性エンゲージメント向上モデル事業」とは?
このような背景を受け、NPO法人SKYは、内閣府の「孤独・孤立対策に関する地域におけるNPO等調査モデル」に採択された「中高年男性エンゲージメント向上モデル事業」を実施しています。
この事業は、中高年男性の心理状態やエンゲージメントを科学的に測定し、その結果を企業にフィードバックする新しい取り組みです。

どんなサービスで、何が新しいの?
このモデル事業では、中高年男性が抱えやすい心理的な揺らぎやキャリア上の課題を「見える化」し、組織の状態と照らし合わせたレポートを企業に提供します。これにより、企業は以下の価値を得ることができます。
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人的資本開示の重要な指標として活用できる:経営戦略と人材戦略の連動を示す上で、中高年層のエンゲージメントや心理的安全性の把握は不可欠です。
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組織文化の改善につながる:中高年層が心理的に安定することで、若手が働きやすい環境が生まれ、健全な組織文化が育まれます。
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若手のエンゲージメント向上にも貢献:ロールモデルである中高年層が安定していれば、若手は将来のキャリアを描きやすくなり、組織への信頼感が高まります。
誰向けのサービス?
このモデル事業は、企業の人事部門、総務部門、健康経営担当者、管理職、経営層の方々が対象です。「定年前研修をアップデートしたい」「エンゲージメント向上研修に変化をつけたい」と考えている企業に最適な内容です。
参加方法は?
本事業の無料説明会がオンライン(Zoom)で開催されます。顔出し不要でアーカイブ視聴も可能ですので、気軽に参加できます。
説明会の詳細は こちら から確認し、申し込むことができます。
個人のキャリアを考える「男のセカンドキャリア塾」
企業向けの支援だけでなく、個人として「第二の人生の準備」を考える男性のための「男のセカンドキャリア塾」も実施されています。

「仕事以外の付き合いが減ってしまった」「定年後のプランがなくて不安だ」「自分自身について考える時間がありませんでした」「地域のイベント等には参加するのにハードルが高い」と感じている方は、ぜひ参加を検討してみてはいかがでしょうか。
この塾は参加無料で、定員15名。2026年10月10日から2027年3月27日まで、大阪産業創造館などで開催されます。
詳細はこちらのリンクで確認できます。
自分のキャリア、そして会社の未来のために
9月の自殺予防週間は、個人のメンタルヘルスを考えるだけでなく、企業が「人的資本価値」を守り、高めるための重要な機会でもあります。
40〜60代という人生の転換期を迎える中高年男性の心理的安定は、若手の未来、組織文化、経営判断、そして企業の持続可能性に直結します。中高年男性への支援は、企業の未来を支える最も費用対効果の高い投資と言えるでしょう。
あなた自身のキャリアを豊かにするためにも、また、もしあなたが企業の人事担当者であれば、従業員が生き生きと働ける組織を作るためにも、この機会に中高年期のキャリアとエンゲージメントについて深く考えてみませんか?